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    129. 「在宅勤務にもみなし労働時間が適用可能に」

厚生労働省は、在宅勤務に対しても労基法が定める「みなし労働時間」の適用が可能であることを近く明確にする方針とのこと。(2月4日、日経新聞朝刊より)

みなし労働時間制とは、営業担当や記事の取材などのように、決められたオフィス以外の場所で勤務することが多く、通常の方法での労働時間の算定が難しい業務において、その労働者は「予め労使協定等で定められた時間だけ労働したとみなす」ことができる制度のことである。ホームオフィスイメージ

近年、通信手段を利用することで、自宅の一室をオフィスがわりにして仕事をする在宅テレワーカーが増加している。 このうち、SOHOなど委託や請負の形での在宅就業は雇用労働者ではないので労基法の適用は受けないが、労基法適用下にある雇用労働者のうち、育児や介護の世話をかかえる女性や通勤困難者は、以前であればそのために会社を辞めることを余儀なくされてきた。 しかし、同じ仕事を自宅でも可能ということになればあえて会社を辞める必要がなくなる。 一方企業にとっても、長い間かかって育てた貴重な戦力を失わなくてすむので好都合である。

しかしながら、このような勤務形態、すなわち在宅テレワークには、乗り越えなければならない課題が多いため、企業は導入に二の足を踏んできたというのが実態である。 人事管理や時間管理をどうしたらいいかというのもそのうちの一つである。 現在の労働基準法は、労働の量を勤務時間によって計測することを原則としており、テレワークにおいても例外ではない。 テレワークは場所の制約、更にできれば時間の制約までも逃れて、ワーカーが最も力を発揮できる環境で自律的に働けるようにするというのが本来の趣旨であるから、そもそも労基法の概念にはそぐわない。

そこで、テレワークを導入する場合には、その矛盾を乗り越えて、ワーカーの労働時間管理をどこまで柔軟にできるかがいつも問題になる。 厳しく解釈すると、労働者は自宅というオフィスにいても、日々の労働時間を計測し、報告しなければならないことになるので、こまめに記録をつけメールで上司に報告ということになる。 他方、テレワークの一つの形でもある営業パーソンにおいては、事業場外みなし労働時間制というのがあるではないか。 この制度が在宅テレワーカーにも適用できないかと考えるのも道理であったが、実際にはその点が不明確だったのである。 報道される今回の方針においても、現行の労基法下での運用弾力化であるから、会社側の管理義務や労使協定による確認などの所定の手続きや管理が必要ではあるが、テレワークの普及にむけて、障害がまた一つ少くなるものと期待したい。

 (2月11日)