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    215.「ワシントンの桜」(4月9日)

ワシントンの桜

春爛漫である。四月は入学式や入社式などの時節であり、桜が新年度の始まりに華を添えてくれる。東京近郊では見ごろを過ぎたところだが、先日、TVでは米国ワシントンでもポトマック河畔沿いの満開の桜が綺麗と伝えていた。 

毎年、ワシントンでは3月下旬から4月上旬にかけて「桜まつり」が開催され、全米各州の美女の中からその年の「桜の女王」が選ばれる。同時に各種のセレモニーやパレードが行われるので、在住の日系人は伝統芸能や美術をアピールする催し物で大活躍することになる。当地の桜は東京からの贈り物であることをワシントニアン(ワシントン子)なら誰しも知っているから、ここに住む日本人は、少し暖かくなって桜が開花するとちょっぴり誇らしげな気分になる。

それもそのはず、当地の桜は日本各地の桜の名所に負けず劣らず美しいからである。公園や一般住居にある桜は手入れが行き届いており、背景に余計な人工物が少ないから、美しく映える。住宅地で有名な桜並木はワシントン郊外のケンウッドという高級住宅地である。水路沿いに桜並木が暫く続くので、散歩あるいは車で見物に来る花見客がひけも切らない。ここでは、自宅前の桜の木はその家の責任で維持管理しているときいた。

米国の広い大地になじむと樹木もアメリカンになるのか大木が多いように思う。桜の寿命は50年程度のようだが、維持管理が良いせいだろう。それを超えても健康な木が多い。  

ニューヨークの自由の女神はフランスからのプレゼントであるが、日本からのプレゼントの桜は首都であるワシントンの中心部を毎年彩り、これを目当てに大勢の観光客が訪れるのだから日米親善に果たす効果は計り知れない。

実は、東京市(尾崎行雄市長)より第1回目に送った苗木は植物検疫でひっかかり、全て焼却処分の憂き目にあったとのこと。それに懲りずに第2回目にはるばる太平洋を渡った子孫が80年の歳月を経て大きく育っている。 右は通信会社に勤務のおり、桜まつりのPR誌に投稿した図柄で通信による両国のつながりを表したものである。 (4月9日)