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    219.「ガソリンの値上げが止まらない」(7月5日)

行き場を失った投機マネーが原油価格や穀物価格を吊り上げている。その結果、食品をはじめ、世界中の全ての商品の値上げにつながっている。

過去1年半で、原油価格が約5倍にもなっているとは驚きであり異常である。しかし、冷静に考えれば、掘りつくしてしまえばそれきりの石油に頼り切っている我々の産業や生活の方が異常なのかもしれない。ガソリンスタンド

何億年もの長い時間をかけて蓄積された地下資源を、僅か百年か二百年という時間で使い果たしてしまうのだから、しっぺ返しを食らわないわけはない。

専門家によると、50年後には石油の生産量が落ちることは間違いないと言う。その一方で、発展途上国の経済が膨張している。地球温暖化も予想以上のスピードで進んでいるから、いずれ破綻することは目に見えている。そこで現下の状況は、我々の産業と生活を真剣に見直すチャンスなのだろう。思えば、70年代の石油ショックを契機に、日本の省エネ技術が一挙に開花し、自動車などの輸出産業の繁栄が始まった。

原油価格が100ドルを超えると、様々な代替エネルギーがビジネス的にも成り立つという。地下資源の乏しいわが国でも太陽光はふんだんに降り注いでいるし、風も渡っている。それに周囲には開発を待っている海洋がある。

マイカーの数が随分減ったお陰で交通渋滞が少なくなった気がする。省電力製品を使わなければという雰囲気になってきた。効率が悪く、寿命が短い白熱電球は数年を目途に生産中止ということになった。皆、石油の高騰によるものである。そう考えると、多くの電力を消費する際の料金値上げはやむを得ないだろう。すでに電気料金は使用量に応じた3段階制になっているが、その傾斜を更に高めてもいいのではないか。電力料金が高くなれば住宅への太陽電池パネル設置も増えるに違いない。TVを見る時間を少なくしよう、風呂にもさめないうちに続けて入るようにしようなどと、各家庭で省電力の対策を考え始めるに違いない。

そして、若いエンジニアには大命題が与えられた。次世代の人類を救う代替エネルギーの開発であり、省エネ技術の実用化である。そう思うと悪いことばかりではない。

(7月5日)