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資料テレワーク・チュートリアル
資料
    目標管理と業績評価

    業務内容の確認

    テレワーカには、テレワーク日における仕事の内容について定めておくことになります。あわせて、作業の報告の仕方や頻度、上司からの指示や連絡の方法などについても決めておきます。

    欧米では、職務給が一般的で、雇用契約のなかで職務記述書(Job Description)が示されますが、わが国では各人の職務内容や範囲が明確に決められていません。このことがテレワークの導入を妨げる一つの要因になっているともいわれます。

    終身雇用や年功重視の雇用形態のなかでは、このようなあいまいな性格でも機能してきましたが、契約社員の増加など雇用形態や勤務形態の多様化に伴って、各人の職務内容をできるだけ明確に決めるように努めることが企業にとって重要になると考えられます。

    評価方法の確認

    一般的な目標管理制度では、期初に定めた各人の目標の各項目についての達成度を期末に期中の業績として評価します。個別の目標は、部門やグループ全体の目標と各人の役割に応じて、できるだけ具体的、定量的に設定し、期末評価の基準とあわせて上司との間で確認がとっておきます。 評価は、各項目の達成度と難易度とをかけあわせ、さらに各項目の重要度に応じた重み付けによって総合評価を行う方法が一般的です。

    期末評価の結果は、評価者である上司より部下にフィードバックしますが、その際に意見が食い違うことがおおにしてあります。多くの場合、食い違いの原因は目標設定の段階にあります。 目標内容が不明確であったり、容易に達成できるような目標ばかりであると評価時点で意見の相違が生じてしまいます。 また、日ごろ報告がなかったり、上司の側で的確な指示を与えていなかったりするのも原因となります。これらはテレワークに限ったことではなく、面と向かって仕事をしているなかでも生じます。しかし、テレワークでは、コミュニケーションが不足しがちになるので、評価の段階になってはじめて、期待したほどの成果が得られなかったのはテレワークが原因であるかのように考える上司もあらわれます。 

    テレワークの場合には勤務態度や潜在的な能力でなく、仕事のアウトプットで評価することになるので、目標の項目と内容について、可能な限り詳細に定量的に定めておくことが大事になるわけです。しかしながら、業務の内容によってはこれが難しい場合も多々あります。特に、テレワークに向いている企画系の仕事の場合、アウトプットを詳細に定量化するのは決して容易なことではありません。 ただ、諦めてしまっては問題解決になりません。他の評価者の例を参考にしたり、被評価者に提案を求めるなどにより、お互いが納得できるまで何度も作りなおして具体的な目標にすることが大事です。加えて設定される目標は達成可能な範囲で難易度が相当高いものである必要があります。両者が知恵を絞って目標を定めるプロセスのなかで、高いアウトプットが期待できる目標が作成され、お互いの信頼関係やテレワーカの自律意識も高められます。勿論、非テレワーカにおいてもテレワーカと同じ扱いで定めることになります。

    現実的な対応

    このような人事や業績管理の問題に対する対応策としては、テレワーク制度の導入初期には、テレワークのできる部門や社員を限定しておき、その後、実施結果をみながら徐々に拡大するのが現実的です。 上司からのこと細かい指示がなくても自律的に仕事を進められる能力資質を持っている社員をテレワーカとして認定します。会社全体の業務の流れを知っており、チームワークでの作業でも支障のない対応がとれる必要があるため、入社まもない社員は適当でありません。テレワークに理解がない上司の場合も避けるべきでしょう。ただし当然ながら、テレワーク推進者は上司に対して必要な啓蒙を行ったうえでの話です。テレワーク実施後、効果がないと判断される場合には、打ち切ることができるとしておくことも重要です。テレワーク推進者のこうしたきめの細かい対応によって、はじめは懐疑的であった上司も積極的な協力者に変わるというケースがよくみられます。